俺がロードレースに初めて参戦したのは5年ほど前で、大阪の堺浜で行われたエンデューロに参戦したのが最初に経験したレースだ。
初めてのレースイベント参戦の前日はものすごい緊張したし、出場すると言ったことを激しく後悔した記憶がある。
[st-kaiwa1]ロードバイクを買ってから結構たつなあ。サイクリングもいいけどそろそろレースに参加してみようかな。でもレースって速い人たちのものなんじゃない?スピードには自信がないな。どうしよう。。。[/st-kaiwa1]
この記事では彼のようにレースに出場したいんだけど怖くて踏み出せない人に向けてロードレースに出場するメリットとデメリットについて解説していく。
ちなみに筆者の俺のレース歴は5年ほど。レースでの入賞歴もあり、2020年から実業団登録してJBCFのレースに参戦している。
目次
ロードレースにはどんな人が出場するのか、速くないといけないのか?
ロードレースには多種多様な人が出場している。
スポーツ自転車を購入して間もない初心者の方から、レースによっては上はプロ選手まで出場している。
でも安心して欲しい。ロードレースはしっかりと出場カテゴリがいくつも区切られていて、自分の実力にあったレベルのレースに出場できるようになっているのだ。
だから初心者の方も全然出場できる。
例えば京都美山の美山サイクルロードレースだと
- C4 10km 競技時間約25分 レース経験の少ない初心者向け (初心者の方はこのクラス)
- C3 20km 競技時間約35分 レースに慣れた中級者向け(レベルが一気に上がる。レース経験が必要)
- C2 40km 競技時間約70分 上級者向け。レース自体も高速になり、ゴールできず足切りになってしまう人が続出する。(平日も練習している方で10レース以上経験のある方推奨)
- C1 70km 競技時間約105分 JCF登録者、招待選手のみ参加出来るカテゴリ(プロレベル 一般参加者はエントリー不可)
こんな感じで区切られているからまずは初心者の方に向けたカテゴリに参加してみて、
レースが実際どんな感じで行われているのかや、集団走行の雰囲気を味わって欲しい。
レースは速い人達だけのものではない。カテゴリー選定をすれば初心者でも十分に楽しむことが出来る。
ロードレースに出場することのメリット
今まで幾度となくレースに参戦してきたから、レースに出場するメリットについて記述していく。
トレーニング(自転車に乗る)の目的になる
どんな人間でも、ゴールを設定しないと物事を続けていくことは難しい。
だから自転車に乗る目的として、数ヶ月先に、レースの予定を組み込んでしまうのがオススメだ。
レースを決めたら、その大会ホームページは必ずそのレースのコースプロフィールが載っているからみて欲しい。
そうすると距離感が決まるし、そのレースに坂が含まれているのかいないのか、どんなコースを練習していけばいいのかがはっきりと決まる。
あとはそのコースに合わせて、坂があるなら坂を含めてレースと同じ距離+a くらいの距離をひたすら走る。+a走る理由はレースでは強度が高く、同じ距離だけ練習で走っていても体力が持たない可能性があるからだ。
まとめると、ロードレースにエントリーすることで、それ自体が走る目的になるし、合わせてどんな道をどれくらいの距離乗ればいいのかまで明確になる。
機材のグレードアップがより意味を持つ
機材スポーツであるロードレースは、ロードバイクの性能によってある程度速さが変わる。機材差が結果を左右する場合だって少なからずある。
レースに出場しない人は、いくら機材に投資したとしても、無用の長物となってしまいがちだ。自己満足にはなるかもしれないが。
でもレースという明確な速く走る目的があるのなら機材に対する投資は、自己満足にもなりつつ、実用的な速さを提供してくれる武器になる。
タイヤを変えたり、フレームを軽量化したり、ホイールをカーボン製のものにしたり。その全てが意味を持つようになる。
だから機材好きは特にレースに出ることをオススメする。
あと、レースにでない人の機材投資を否定する意図は全くないことを理解いただきたい。
楽しい
何よりロードレースはめちゃめちゃ楽しい。
レース開始前にはなんとも言えない緊張感があるし、自然の中や、レース用に交通規制された公道を走るのは気持ちがいい。レース中の他選手との駆け引きだったり、レース慣れしてチームで出場した時は連携プレーなんかもできる。
勝っても負けても走り切った喜びはほんとに大きいし達成感を感じることができる。
ロードレースの会場は山の中で、自然が多い場合が多いから、その土地の名産品や名物を帰りがけに食べることだってできる。
レース後でカロリー不足な体に達成感のなか食す名物は最高に美味だからやらない手はない。
ロードレースに出場することのデメリット
レースにはリスクも伴うので合わせて紹介しておく。
落車の危険が伴う
レースにおいては落車のリスクがある。
たくさんの自転車が一塊になって高速で走るのだから、自分自身が落車の原因じゃなくても、落車に巻き込まれてしまうことがあるのだ。
落車は運が良ければ問題ないこともあるが、多くの場合怪我に繋がってしまう。最悪の場合死に至ることもある。
プロ選手なら、落車のリスクを多少は踏んででも、勝ちにこだわることが重要なのかもしれないがこの記事を読んでいるホビーレーサーは違う。
次の日からは普通に仕事があるだろうし、家庭がある人だっている。安全第一は必須だ。
落車回避の記事については近日中に必ず執筆するからぜひ読んで欲しい。
高級レース用機材は100万円を超える
レースに出るのだったら、どうせならいい機材に乗ってみたいと思うのは当然の心理だ。俺だってそうだ。
だけどレース用にハイエンドロードバイク(一番性能のいいロードバイク)を購入しようと思うと軽く100万円を超える。 軽自動車が買える。
例えばアメリカスペシャライズドのハイエンドバイク。TARMAC SL7だと
このS -WORKS TARMAC SL7は2021年1月現在ではロードレース用機材として世界最高性能と呼び声高いんだけど 145万円する。実際このバイクに乗ったプロライダーが世界最高峰のツールドフランスで何勝もしている。
これをみてどう思うだろう?
この世界最高性能級のロードバイクについて、この金額を高いと捉えるか安いと捉えるかは人によって異なると思う。
だけど世界最高性能と考えるなら、全然安いなと思った。 だって車の世界最高性能だといくらする? F1だと数億円はするはずだ。
それに見た目も抜群にかっこいい。レース会場でも羨望の眼差しでみられることは間違いない。
一般的には自転車で100万円越えは高いと考えられると思うから、一応、デメリットとはさせてもらったけど読者さんはどう考える? 俺は買えないけど安いと思う。
初心者にオススメのレースは?
初心者に最初に出場しやすいレースをリストアップしたから 最初のレース選びの参考にしてもらえたらと思う。
下総運動公園のクリテリウム・エンデューロ
下総運動公園のクリテリウム・エンデューロ
- 毎年9月下旬ごろ開催
- 千葉県成田市高岡1435 下総運動公園(フレンドリーパーク)
- 一周回約1.5キロ
2020年開催分のHP https://autumn-shimofusa.powertag.jp/
下総運動公園は俺もレースで走ったことがあるんだけど、道幅も広く、坂道も少ないので、非常に走りやすい。
カテゴリーもいくつかあるが、初心者の人はクリテリウムのビギナークラス(6周回)か60分エンデューロを選ぶといい。
美山サイクルロードレース
美山サイクルロードレース
- 毎年5月下旬ごろ開催
- 京都府南丹市美山町島の美山支所前メイン会場
- 一周回約10キロ
2019年開催分のHP(2020年は新型コロナウイルスの影響で開催中止)http://www.cyclingmiyama.com/miyamaroad/about/
九鬼ヶ坂峠を含む一周回約10キロの走りごたえのあるコース。
下総と比べるとややコース難易度は上がるが、登りを含むので、登りが好きだ!得意だ!という方にはぜひ挑戦して欲しいレース。
カテゴリは1周回の部C4を選択して欲しい。
富士の国やまなし Mt.富士ヒルクライム
富士の国やまなし Mt.富士ヒルクライム
- 毎年6月ごろ開催
- 富士北麓公園(山梨県富士吉田市)~ 富士スバルライン ~ 富士山五合目(山梨県側:富士吉田市・富士河口湖町・鳴沢村)
- 全長約25km
- 獲得標高1255m
2021年開催HP https://www.fujihc.jp/
言わずと知れた富士ヒルだ。
実は初心者の方にヒルクライムはすごくオススメで、集団が発生しないため、落車のリスクが低く、自分のペースで走れるからだ。
しかも富士の5合目まで自分の足で登り切ったとあれば相当な自信に繋がると思うし達成感もある。
一見すごそうにも見えるコースだが、実はそんなに勾配がキツくないため完走率も99%とすごく高い。
ぜひチャレンジして欲しい。
レースに出場するための能力基準点
記事の前半の方で初心者でも全然レースには出れると言った。
[st-kaiwa1]そうは言っても、レースに出るために一定の能力はないといけないんじゃないの?[/st-kaiwa1]
と、彼のようにどうしても不安な方もいると思う。
そんな方に向けて、レースに出場するならこれくらいの能力は欲しいというのをまとめたから参考にして欲しい。最低限以下4つだ。
- まっすぐ走れること。(まっすぐの道をまっすぐ走れるか)
- 人の後ろについて走ったことがあること。(前の人との距離を一定に保てるか)
- 70km以上のロングライドを一人でもこなせる体力があること。(地形やタイムは問わない)
- フラフラせずにコーナーの出口をみながらコーナリングできること(集団走行のマナー)
これらををクリアできていれば今すぐにでもエントリーできる能力があるといっていい。
最初、集団走行のスピードやコーナーでビビってしまうかもしれないが上記の能力がある人は、すぐに適応できる能力を備えている。
逆にこれらができない人は、エントリーこそしてもいいが、体力的にキツすぎたり、集団内でフラついて、怒られてしまったりして十分に楽しめない可能性があるから、安全に配慮して集団後方に位置づけて、すぐに千切られてしまったほうがいい。それでもレース経験をするのは貴重なことだ。
そこまで無茶苦茶な基準ではないと思うから、ぜひともクリアしてみて欲しい。
まとめ
初めてロードレースに出るか迷ってる人に向けて、メリットとデメリットを紹介してきたけど、筆者の俺個人的にはロードレースは本当に楽しいものだからぜひ一度出場してみて欲しい。一度出場してみて合わなければもう出なければいい。
ロードバイクに乗る目的をレースにしてみることで、ロードバイクの楽しみをもっと深めることができると思う。
また、ロードバイクをいじったり、新しい部品を導入するのがさらに楽しくもなるだろう。
だけどレースにはリスクがつきまとう。落車によって大きな怪我をした人や命を失った人もいる。自慢の愛車だって壊れてしまうかもしれない。
家族がいる人は絶対に一度相談してからエントリーして欲しい。
家族からOKをもらえたら、その上で、きちんと安全な装備をして、安全第一でレースに出場してみて欲しい。レースが終われば明日からはまた仕事だ。
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